Iwai Lab


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東京工業大学
フロンティア研究センター
岩井研究室
TEL:045-924-5471
FAX:045-924-5584


最終更新日:2008.3.16

ご挨拶

当研究室では、シリコンをベースとした集積回路のデバイス技術、特に素子超微細化や集積回路の限界の探査、研究や、新材料のシリコン集積回路への導入・CMOSのRF通信回路への応用などを行っています。

LSI(Large Scale Integrated circuit:大規模集積回路)の最初の製品と見なされるIntelの1k bit DRAMが製造されてから30年近くになりますが、この間にLSIは実に長足の発展を遂げ、高度な計算を行い動作や情報を制御する中枢部品としてありとあらゆる機器に用いられるようになってきました。

最近のmobile telephone、mobile PC, ひいてはInternetの爆発的な普及も軽量、小型、低消費電力で極めてきたことによるものです。今後更にこの文明が飛躍的な発展を遂 げて、近い将来人間の知性、感性の機能を代行する機器が出現することが大いに期待されます。

これはこれからの高齢化社会で予想される労働人口不足、老人介護人口不足などの状況のもとで、各人が平等に或る程度以上の生活レベルを享受できる為には行く行くは越えなければならないハードルであると考えますが、何れにせよ、これを実現する為には現状のものから何桁も性能の高い機器の実現が必要であると考えられており、先ずはハードとしてのLSIの発展が今後何十年かに渡って継続していくことが必要条件の一つとも考えられています。

さて、LSIの発展はトランジスタを中心としたLSI中の素子の縮小化によってなされてきましたが、トランジスタの縮小化の限界がどこに有るかが重要な疑問としてクローズアップされてきます。この流れが今後も続くとすると2005年頃にはゲート長が30nmとなり、更に今世紀の半ばにはゲート長はシリコン結晶中の原子の間隔である0.3nm(即ち3Å)となる計算となります。この寸法辺りが原子を用いてトランジスタを形成する限りにおいて究極的な限界と考えられますが、このようなゲート長のトランジスタが動作するかどうかは甚だ疑問であると思われており、経済的要因からはもう少し大きいところとも言われています。

研究テーマとしてはCMOS LSIの素子微細化の限界を見据えて、今後のLSIがハード、ソフトの両面から継続して発展していく為にはどういう技術を開発して行くべきかを考えつつ、先ずは微細シリコントランジスタ微細の特性研究、微細化限界とその打破(高誘電率ゲート膜などの新材料の導入、構造の改良等々)の研究などから手を染めていきたいと考えています。また限界打破の為の新材料の導入の研究、新しい応用分野としてのCMOSの高周波通信回路などへ応用の研究も行って行きたいと思っています。